通常は、入れない温室の裏側を案内してくれるというガイドツアーに参加しました。
大温室脇のバリケードをしている道から入っていきます。ワクワクしてますね
現在の温室は、2012年完成の三代目。ガラスは、強化ガラスのオーダーメイドの特注品。天井付近には、開閉式の窓があって、温室内の温度が23℃になると開きます。一粒でも雨が当たったり、風が強い日には、閉まります。
大温室の熱源は、ボイラーです。ボイラーで沸かした温水を管を通して温室内の空気を温めます。3台のボイラーを交代で使用。大きな煙突は、焼却炉じゃなかった。
倉庫には、洋ラン用植え替え資材を置いてあります。きれいに片付いています。さすがです
バックヤードの温室は、11棟あって原産地の環境に近くなるように管理されています。洋らんが主で、約1200種類あって、そのうち600種類が原種です。
こちらの温室も、温度によって自動で窓の開閉がされています
皇室由来の植物を守る
一つ一つの鉢に名札がついてます。名札に書かれているのは
属名 頭文字 大文字 + 種名
種名の頭文字が大文字だと人工種(交配種)で、小文字だと原種(野生種)
「shinjuku 」と名前にあるのは、この新宿御苑で作出された品種です。明治期に海外から購入した新しいランは、ここで栽培されて新しい品種も作り出しました。御苑で栽培管理されたランは、宮中行事での装花として使われました。
珍しい植物たち
南米原産のパイナップルの仲間を紹介してもらいました
土は不要です。水やりは、葉と葉の間に水をためておきます。原産地では、この水の中にカエルがいたりするそうです。知らなかった。ハワイや沖縄で栽培しているパイナップルも同じ様な水やりをしているんだろうか
葉の上に花が咲くプレウロタリスの仲間。初めて見た。茶色ががった色で小さな花です。葉の上にちょこんと乗っかっている感じ。写真は、ボケてしまってうまく撮れませんでした。
花が終わって、葉の上に根がでてくると植え替えのサインです
この花にまつわる高円宮妃にまつわるエピソード。高円宮妃は、ランがお好きな方です。ランの展示会でこのランを出展。いつも新宿御苑のコーナーは、スルーされるのに、このプレウロタリスは、30分以上も見てくださってお話しできたそう。栽培管理されている労が報われる胸熱なエピソードです。
絶滅危惧種を守り育てる
沖縄と小笠原の絶滅危惧種をいくつか紹介してもらいました。新宿御苑は、日本植物園協会に加入していて、絶滅危惧種の栽培や保存の方法を全国の植物園と情報交換しています。栽培して増やした株を原産地に戻すことも行なっています。
加温の必要がない絶滅危惧種は、屋外で栽培しています
私の場合、お店のバックヤードというと、ゴタゴタしているイメージがあります。新宿御苑は、とても整然と並ぶ鉢たちで全く違いました。たくさんの植物をそれぞれに適した管理を少ないスタッフでされていて、頭が下がります。
ガイドをしてくださった根津さんは、冗談をまじえながら、植物への愛を感じられるお話しをしてくださいました。参加者の中には「リピートしたくなる」と言う方も。そのくらい楽しツアーでした。
新宿御苑 温室バックヤードツアー
第2水曜日 13:30〜(45分程度)
先着10名程度
毎月開催では、ないようです。詳しくは、新宿御苑のホームページイベント情報をご覧ください