怖い物見たさというけれど 怖い絵展@上野の森美術館

夜8時まで開館しているというので、行ってみました。平日の夕方でも40分待ちでした。

中野京子さんの本が企画の元になったこの美術展。刊行10周年を記念して開催されました。近世から近代にかけてのヨーロッパの絵画が中心です。

一見、どうして怖いのかわからない絵もあります。妖精が描かれているとファンタジックな絵なのかと思ってしまいます。けれど、イギリス、ビクトリア朝の時代では、社会的な不安の反動から幽霊や妖精を信じる人が増えたとか。心の闇が隠されています。

一見して、怖いと感じる絵もあります。場面自体が恐ろしい情景や怪物が描かれている絵です。みている人を不安な気持ちにさせます。

圧巻は、今回の目玉作品としてポスターにも使用されている「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。大きさといい、美しさといい圧倒されます。

中野さんの解説によると、当時の絵画は、前後の動きも想像できる動画でもあったのではないかとしています。絵に描かれていなくても、想像で場面を作りあげてしまう。

イヤホンガイドも借りて鑑賞しました。音声は吉田羊さん。静かな語り口で作品解説をしてくれました。解説されている絵に集中できるので、借りて良かったです。

この企画で、多数の収蔵先から借りられるよう交渉するのは、大変だったろうなと素人の私でも想像できます。人の多さでやめようかとも思いました。しかし、並んでも観た価値はあったな思います。

鑑賞し終わって、どよ〜んとした心持ちになってしまいました。恐怖というより不安感です。絵画にそんな気持ちをこめたり、伝えたりする力があるんですね。