渋谷川自体がどこを流れているのかわからず、源流が新宿御苑近辺らしいと、どこなのか知りたくて参加してみました。
スリバチ地形とは
ガイドをしてくれるのは、東京スリバチ学会会長の皆川典久さん。スリバチ地形が好きな地形マニアとして活動されています。
スリバチ地形とは、台地の端から流れる湧水によって台地が削られたできた、三方向が斜面に囲まれたような形状になっている場所のことです。
スリバチ散歩で必ず頂ける資料が、この地形地図。
地形の凸凹が良くわかります。
玉川上水の流れから四谷大木戸跡へ
新宿御苑の北側には、江戸時代に市中の飲料水として玉川上水が引かれていました。現在では、玉川上水の流れを再現した「玉川上水・内藤分水散歩道」として散策路になっています。この散策路の流れの水は、国道20号新宿御苑トンネルの共同溝に湧き出た地下水を利用しています。
玉川上水は、四谷大木戸から暗渠となり、江戸市中に配水されていました。この大木戸門付近には、水番屋がありました。
江戸末期の地図に載っています
水番屋の構内図(散策路内のパネルより)
玉川上水余水吐け(よすいばけ)
水番屋の構内には、流れてきたゴミを止めて掃除するための「芥留(あくたどめ)」満水時に渋谷川へ排水する「吐水門(はきみずもん)」上水として利用するために暗渠へ入る「水門(みずもん)」がありました。
玉川上水の余水が渋谷川になるんですね。その余水吐けの流れていたのがこちら
暗渠になっています。水はなくても、川だった形はわかります。
新宿御苑内の池
新宿御苑の大木戸門から園内に入るとすぐにある玉藻池。江戸時代に信濃高遠藩、内藤家の庭園にあった池。皆川さんの推測では、湧水もあったから造られた池ではないかと。玉川上水から引っ張ってきただけではないのですね。
園内の他の池は、明治時代になってから造られた池。
下の池
下の池から、渋谷川へ排水されます。
中の池
上の池
渋谷川の上流ということになります。
湿地帯
かつては、渋谷川の源流が来ていたはず。この時は水がありませんでしだが、夏場には水があります。
渋谷川の源流 天龍寺
天龍寺には、江戸時代、時の鐘も設置されていました。時の鐘とは、まさしく時刻を知らせる鐘です。
天龍寺境内には、池があってそこから水が流れていたそうです。それが渋谷川の源流と言われています。今は、池もないです。あるのは、井戸の水。
川の源流がこんな街中にあったとは知りませんでした。
御苑内の湿地帯は、御苑周辺の地下へ入る道路敷設工事で、水脈が変わったりして水が少なくなっているのではと思いました。
参加イベント情報
東京スリバチ地形散歩 シーズン24 新宿御苑と渋谷川源流
主催: 新潮講座
日時: 2020年11月21日(土)13:30〜16:00
受講料: 2970円 教材費 880円
投稿者プロフィール
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飯塚裕美(蛙号 カエラ)
お庭めぐりスト
カエルグッズ大好きのカエラー 樹木医
お問い合わせはメールでお願い致します
tukinuki@rmail.plala.or.jp
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