武庫離宮の庭園を宮内省内苑局局長として関わった福羽逸人。関西方面の職人に対して偏見があったようで、武庫離宮の造営時には、東京から職人をつれていきました。
福羽は京都皇宮外苑改修にも携わっていました。その際には、京都の植木職人に対して、工賃が東京よりも高く、巨樹移植の技術が低いと断じています。石組みについても同じで、信頼できないと言っています。武庫離宮の造営時も、京都と同じで東京から職人を連れてきました。施工に携わった植木職人の豊田弥兵衛は、東京出身で当時、須磨町に住んでいました。
福羽は関西方面に人脈が無かったのかなと思いました。また、自身の庭園技術を見る力に自信があったのですね。
潮見台の腰かけと手すり
石作りの腰掛け
![潮見台腰かけ](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/15C4433B-81CA-436B-80F2-909E6FDCAD42_1_201_a-1024x768.jpeg)
腰掛けの石柱には、面とりがありました。細かい加工です。
![潮見台腰かけ](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/E91C07AD-4D2A-48C7-B176-3B9239E37C95_1_201_a-1024x768.jpeg)
石積みの太い目地が特徴的
![石積み](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/E4A5CF8A-84DB-416E-AE15-538FC4471DB1_1_201_a-1024x768.jpeg)
![潮見台石積み](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/ADC4DF7B-600F-468D-AE65-BC26A5F9941D-1024x768.jpeg)
離宮当時は、眺望が良かったそうですが、今は海が少ししか見えません。
![潮見台眺望](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/62953FE6-76AA-4B0D-8610-95E9AF2166EC_1_201_a-1024x768.jpeg)
燈籠と手水鉢
燈籠も手水鉢も大きい。大正時代は、大きい燈籠が好まれました。
![燈籠](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/C4651DEF-1382-44A0-BA78-AC0DFA798839-768x1024.jpeg)
![手水鉢](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/5B955CBF-84F4-4B09-8B45-35986A5DFA16-1024x768.jpeg)
手水鉢の角が欠けています。火が当たって割れた欠け方だそうです。空襲で本館が焼けたときの火が当たったのだと推測できます。
![欠けた手水鉢](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/C0E52426-7849-480E-91BF-AE0868C11EAE_1_201_a-1024x768.jpeg)
遂道
一説によると有事の際の避難路として造られたとか。
![遂道](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/35440A8F-A1D9-43AD-B21C-08C37027D07A-1024x768.jpeg)
アーチの石組みが美しい
![遂道石組み](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/1D044F52-3151-4FC6-847D-A75775726107-768x1024.jpeg)
![遂道図面](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/753A485D-9B0B-4D01-96BB-B896657C5912_1_201_a-1024x772.jpeg)
傘亭
青銅製の柱は残っていたが屋根部分は空襲で焼失していました。
屋根は復元されました。
![傘亭](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/27A13C37-D409-431F-86B7-87BAC6A0B49B_1_201_a-1024x768.jpeg)
青銅製の擬木は、精巧なつくりです。コンクリート製の擬木はよく見ますが、青銅製は初めて見たかも。
![青銅製擬木](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/2DFCDFAE-F65B-4CE7-83DC-1565E8ACDB9D_1_201_a-768x1024.jpeg)
行平月見の松(現存しない)のそばに建てられた傘亭から、海が見えて眺望が良かったのでしょうが、海側に視界を覆ってしまう石碑が建てられていて、海が見えません。とても残念。
![傘亭前石碑](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/68BCC214-C20E-44E9-8861-DDBFEDBC23F5_1_201_a-1024x768.jpeg)
傘亭の先にある月見台休憩所から見た眺め。穏やかな瀬戸内海が望めます。
![月見台休憩所](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/16CC1470-C3E9-4418-BCD3-122DEE44BE12-1024x768.jpeg)
![傘亭図面](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/290C61C4-406D-46DA-BE8C-1E499BBFD8A9_1_201_a-1024x929.jpeg)
鞍馬石の石灯籠
鞍馬産の石製の石灯籠。本場物は、本鞍馬といいます。18世紀くらいから、京都の庭石として使われだしました。明治の末から大流行しました。
基礎部分が割れています。曲面を持って割れているのは、火が当たって割れたときの割れ方だそうです。
園路
傘亭近くから新池へ下りていく石段。左右、交互に踏む石段になっています。
![石段階段](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2020/01/35E0D39A-061C-47E1-98DD-F2E5F458B0B6-1024x768.jpeg)
この記事は、下記講座の参加記録です
京都造形芸術大学 藝術学舎
「福羽逸人と宮廷の庭–京阪神の庭園を楽しむ」
講師
京都芸術大学教授 尼﨑 博正先生
京都造形芸術大学非常勤講師 町田 香先生
2019年11月30日〜12月1日
投稿者プロフィール
![飯塚裕美](https://hiromi3.com/wp-content/uploads/2021/12/202109190SACH6406SACH6406_original-100x100.jpg)
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飯塚裕美(蛙号 カエラ)
お庭めぐりスト
カエルグッズ大好きのカエラー 樹木医
お問い合わせはメールでお願い致します
tukinuki@rmail.plala.or.jp
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