儒葬(じゅそう)式お墓が見られる 林氏(りんし)墓地公開 国指定 林氏墓地 林羅山

徳川幕府が重きをおいていた学問、儒教の一つである朱子学を教えていた林家。林羅山(はやしらざん)とその一族のお墓が東京都新宿区に保存されています。

儒葬式とは、どんなお墓なのか興味があって、公開日に見学してきました。通常は、非公開地です。

墓地は、住宅街の一角にありました。外の塀だけ見るとお寺の敷地のようです。

林氏墓地 塀

儒葬式のお墓は、8代述斎から11代復斎の4基がその形をとどめています

墓石の奥に土葬で埋葬して塚を作っています。これがお墓の作り方。墓石には、埋葬された方の名前と敬称である「府君」が刻まれています。塚の部分には、樹木が植っていますが、埋葬時にはなかったのではと思います。ずっと後の世で植えられたのでしょう

儒葬式墓
儒葬式のお墓

葬儀は、後継者と遺族が執り行い、何日も儀式が続くそうです。喪中の期間は3年間にも及びます。

敷地内には、81基ものお墓が保存されています。本家筋は通路脇にあり、分家筋は後ろにまとめられています。明治以降は、だんだんと敷地が狭められて、それに伴ってお墓もまとめられたのでしょう。

分家筋のお墓
分家筋のお墓

初代の林羅山と夫人、息子たちの墓は、当初、上の忍ヶ丘の林家別邸内に埋葬されていました。1698年 (元禄11年)に牛込山伏町に29000坪の屋敷地を幕府から拝領します。かなり広い敷地。幕府に重用されていたのがわかりますね。山伏町を拝領した後は、この地に上野の墓所を

とあわせてこの地に移されました。

1975年(昭和50年)新宿区がこの墓地を買収。取得資金に国と東京都の補助金を得ています。新宿区教育委員会が管理団体となっています。

現地で新宿区教育委員会発行の調査資料を購入しました。1978年(昭和53)発行で墓石に刻まれている墓誌などの銘文を採択して判読した資料です 2000円

国 史跡林氏墓地調査報告書

発掘調査は行われていないようです。お骨が発掘されれば、生前のお顔や体格などわかるはずですが。

林氏墓地

国指定史跡 1926年(大正15年)10月20日

所在地 東京都新宿区市谷山伏町1-15

公開日時 2022年 11月3日、5日、6日 10:00-15:00

年によって公開日時が変わります。詳細は新宿区教育委員会にお尋ねください

料金 無料 申込不要

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飯塚裕美
カエラ
飯塚裕美(蛙号 カエラ)
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